現代、デジタル化が飛躍的に進んでおりますが、顧客とのOne to Oneのコミュニケーションを実現できるダイレクトメール(DM)は、依然として有効なマーケティング手法の一つです。しかし、闇雲にDMを送付するだけでは、期待する効果を得ることはできません。
本記事では、DMで期待できる効果やその測定方法、反応率を高めるための戦略、DM施策を成功に導くための実践的なノウハウなどを解説します。成功事例も交えながら、DMの効果を最大限に引き出す戦略を紐解いていきましょう。
目次
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ダイレクトメール(DM)は、他の広告手法とは異なり、顧客の手元に届き、じっくりと読んでもらえる可能性が高いという特徴があります。
そのため、商品やサービスの魅力を深く理解してもらう非常に有効な手段となります。ここでは、DMで期待できる効果と、その効果を測定する方法について解説します。
まず、DMをマーケティングに活用するうえで、メリット・デメリットはどのようなものか理解しましょう。
・ターゲティングの精度が高い
属性や購買履歴など、詳細な条件でターゲットを絞り込めるため、無駄な送付を抑え、費用対効果の高いプロモーションを実現できます。
・訴求力が高い
手元に届く紙媒体のため、他の広告と比べてじっくりと読んでもらえる可能性が高く、商品やサービスの魅力をしっかりと伝えられます。クーポンや割引券を同封することで、購買意欲の向上に繋げられる点もメリットです。
・顧客とのエンゲージメント向上につながる
顧客一人ひとりに合わせたメッセージやデザインのDMを送ることで、顧客体験を向上させ、ブランドへの愛着や信頼感を醸成できます。
・費用対効果が見えにくい
Web広告と比較して、反響数値が取得しづらく、費用対効果を可視化しにくい点が挙げられます。効果測定には工夫が必要となり、費用対効果を明確にするためには、適切な指標設定や分析が重要となります。
・制作/発送の手間
顧客リストの管理、DMのデザイン・印刷、発送作業など、多くの時間と手間がかかります。
・環境問題への配慮
紙媒体であるDMは、環境負荷の観点から敬遠されるケースもあります。
メリットとデメリットをしっかり理解したうえで、DMを送付しましょう。
DMの効果を最大限に引き出すためには、施策の効果を測定し、改善につなげることが重要です。DMの効果測定では、以下の指標を参考にしましょう。
送付したDMに対して、クーポン利用や問い合わせなど、何らかの反応があった割合を示します。DMの反応率を把握することで、顧客の反応を分析し、改善策を検討することができます。
・計算式:レスポンス率 = (反応数 ÷ 送付数) × 100
1件の反応を獲得するためにかかった費用です。DMの費用対効果を評価する上で重要な指標となります。
・計算式:CPR = DM総費用 ÷ レスポンス数
1件の受注を獲得するためにかかった費用です。DM施策の費用対効果を測る上で重要な指標となります。
・計算式:CPO = DM総費用 ÷ 受注数
以上の指標を適切に測定し改善を重ねながら、効果の最大化を目指しましょう。
DMの効果を高めるためには、顧客にDMを開封してもらい、内容を読んでもらうことが重要です。開封率・閲読率を高めるためには、以下のような工夫が効果的です。
顧客の興味関心を引くデザインや、思わず開封したくなるようなキャッチコピーは、開封率向上に大きく貢献します。
顧客の名前を記載したり、顧客の属性や過去の購買履歴に合わせたメッセージを盛り込んだりすることで、開封率だけでなく、顧客のエンゲージメント向上も期待できます。
割引クーポンや特別なプレゼントなど、顧客にとってメリットのある特典を付けることは、開封率向上に非常に効果的です。
DMの反応率を向上させることは、顧客とのエンゲージメントを深め、最終的なコンバージョンにつなげるために非常に重要なポイントです。
そのためには、DMの内容だけでなく、ターゲット選定、送付タイミング、デザインなど、多角的な視点から戦略を練る必要があります。
ここでは、反応率を高めるための具体的な戦略について、詳しく解説していきます。
顧客の心を掴み、購買意欲を高めるDMコンテンツを作ることは、反応率向上に欠かせません。制作するうえで大切な4つのポイントを紹介します。
商品やサービスを利用することで顧客が得られるメリットを具体的に伝えましょう。「時間の節約」「コスト削減」「満足度向上」など、顧客の心に響くベネフィットを明確に提示することで、購買意欲を高めることができます。
顧客に具体的な行動を促す言葉を添えることで、反応率を高めることができます。「いますぐ購入はこちら」「詳細はこちらをクリック」「期間限定キャンペーンに応募する」など、行動喚起を促すフレーズを盛り込みましょう。
期間限定の割引や数量限定の商品など、顧客に「今すぐ行動しなきゃ!」と思わせるような要素を盛り込むことで、反応率を高めることができます。「この機会をお見逃しなく」「残りわずかです」といった表現を用いることで、顧客の購買意欲を刺激し、行動を促進します。
ターゲット層に人気のタレントやキャラクターを起用することで、DMへの注目を集め、親近感を与えることができます。ただし、起用するタレントやキャラクターが、商品やサービスのイメージと合致していることが重要です。
以上のことを意識しながらコンテンツの制作に取り組みましょう。
DMの効果を高めるためには、送付のタイミングも重要な要素です。
以下のポイントを参考に企画を進めてみましょう。
既存顧客への新情報公開のため、DMは有効な手段となります。発売日やサービス開始日に合わせて送付することで、顧客の購買意欲を高める効果が期待できます。
販促効果を高めるために、季節イベントやキャンペーンに合わせてDMを送付するのも有効です。クリスマスやバレンタインデー、母の日などのイベントに合わせて、特別な商品やサービスの案内、クーポンを同封することで購買を促進できます。
顧客との長期的な関係性を構築するためには、顧客のライフサイクルに合わせたDM施策が重要です。誕生日や入会記念日などに、感謝のメッセージや特別なクーポンを添えたDMを送り、顧客満足度を高め、優良顧客化を目指しましょう。
エリアやなどでのターゲティングもありますが、その他にも以下のようなターゲティングでの送付も有効です。
一定期間購入やサービス利用のない顧客に対して、お得なキャンペーン情報や新商品情報を掲載したDMを送り、再利用を促します。休眠顧客の掘り起こしは、新規顧客獲得よりも低コストで効果が見込める場合があります。
DM発送後、一定期間が経過しても反応がない場合は、フォローアップのDMを送付することで、顧客の再検討を促す効果が期待できます。
DMは、顧客の購買意欲を高め、行動を促すための強力なツールとなります。適切なタイミングを見極め、戦略的にDM施策を実施することで、売上向上や顧客エンゲージメントの強化といった成果につなげましょう。
DMは、他の広告手法と比較して費用がかかりやすいという側面もあるため、コスト意識を持って施策することが重要です。実施後もしっかりとPDCAを回して、効果的な施策となるよう、以下の点を意識して取り組んでみましょう。
DMは印刷物のため、オンラインコンテンツと比較するとある程度のコストが必要となります。DM費用を抑えたい場合は以下を検討してみてください。
オフセット印刷、オンデマンド印刷など、印刷方法によって費用が大きく変動します。DMの発行部数やデザイン、納期などを考慮し、最適な印刷方法を選択しましょう。
発送方法も、費用に影響する要素の一つです。日本郵便の普通郵便、ゆうメール、ポスティングなど、それぞれのメリット・デメリットを比較し、適切な発送方法を選びましょう。
DMのサイズや紙質を工夫することで費用を抑えられます。たとえば、DMのサイズを小さくしたり、薄い紙を使用したりすることで、印刷・発送費用を抑えることが可能です。
ターゲット設定をしっかりと行い、無駄なDMの送付を減らすことが重要です。
DMのデザイン、印刷、発送などを外部業者に依頼することで、コストを抑えられる場合もあります。制作代行から発送代行まで、さまざまな業者が存在するので、内製を図った場合のコスト・リソースと比較して効率よく進めることも大切です。
企画毎に適正コストとなるようしっかりと見極め、送付しましょう。
限られた予算の中で最大限の効果を得るためには、費用対効果を意識した、目標設定や効果測定が必須です。
目標とするKPIを設定し、効果測定を行いながら、改善を繰り返していくことで、効果の最大化へとつながります。以下のステップを徹底しましょう。
DMを制作する前に、達成したい目標を設定しましょう。目標とするKPIを設定することで、効果を測定しやすくなります。
DMの効果を測定し、改善点を見つけ出すことが重要です。効果測定には、Webサイトへのアクセス解析ツールや、DMに記載したクーポンコードの利用状況などを活用しましょう。
効果測定の結果をもとに、DMのデザインや内容、ターゲット設定などを改善することで、より効果の高いDM施策を実施することができます。
以上のサイクルを回しながら、DM効果の最大化を図りましょう。
最後に、DM施策の成功事例を紹介します。
アパレル企業が、過去1年間に購入実績のある顧客を対象に、新商品情報やお得なキャンペーン情報を掲載したDMを発送したところ、高い反応率を獲得し、売上向上につながりました。
顧客セグメントをしっかりと行い、ニーズに合致した情報を届けることが重要であることを示す好例と言えるでしょう。
化粧品会社が、新商品の発売に合わせて、ターゲット層に合わせたDMを発送すると同時に、Web広告を配信。DMとWeb広告の相乗効果により、認知度向上と購買意欲の向上を実現し、新規顧客の獲得に成功しました。
オンラインとオフラインの施策を組み合わせることで、相乗効果を生み出せることを示唆しています。
飲食店が、店舗周辺の住民を対象に、クーポン付きのDMを発送。地域に密着したターゲティングを行うことで、来店促進につながり、売上増加を実現しました。地域密着型のビジネスにおいて、有効な集客ツールとなった例といえます。
本記事では、DMの効果測定から改善、反応率アップの戦略について解説しました。
DMは、ターゲットに合わせたメッセージをダイレクトに届けられるため、他の広告手法と比較して高い費用対効果を得られる可能性を秘めています。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、戦略的なアプローチが不可欠です。
今回紹介した内容を参考に、DM施策の設計から運用、改善まで、PDCAサイクルを回し続けることで、売上アップ、顧客とのエンゲージメント強化といった、ビジネスの成功につながるDMマーケティングを実現していきましょう。
DMの開封率や閲読率を上げるためには、各プロモーションに著名タレントを起用するのも良い方法です。昨今タレントサブスクサービスを活用する企業が増えています。
しかし、 タレントを起用したくとも、キャスティング費用が高くて検討できないとお考えの方も少なくないのではないでしょうか。そのようなときにおすすめなのが、タレントサブスクです。
「ACCEL JAPAN(アクセルジャパン)」は、数多くの著名人の肖像を集客施策に起用できるタレントサブスクサービスです。
DMや折込チラシでの利用をはじめ、ホームページやWeb広告、看板やのぼりなど、活用方法はさまざまです。本記事で解説した施策を行いつつ、差別化を図る一環としてタレント起用を検討してみてはいかがでしょうか。