カスタマージャーニーマップとは?作り方から活用方法まで徹底解説

「顧客の行動や心理をもっと深く理解したい」
「マーケティング施策の効果が思うように上がらない」
このような悩みを抱えていませんか?
その課題を解決する強力なツールがカスタマージャーニーマップです。
カスタマージャーニーマップは、顧客が商品やサービスを認知してから購入に至るまでのプロセスを可視化する手法です。本記事では、カスタマージャーニーマップの基礎知識から具体的な作成方法、実践的な活用事例まで網羅的に解説します。
この記事を読むことで、顧客理解を深め、効果的なマーケティング戦略を立案できるようになります。ぜひ最後まで読んで、あなたのビジネスに活かしてください。
目次
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カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知してから購入、利用に至るまでの一連のプロセスや体験を指します。
この顧客の行動や思考、感情の変化を時系列で可視化したフレームワークをカスタマージャーニーマップといいます。
このマップを作成することで、顧客視点での課題や改善点が明確になり、マーケティング戦略の立案や顧客体験の最適化に活用できます。部門を超えた共通認識の形成にも役立ち、効果的な施策の実施が可能になります。
マップの基本構造・レイアウト
カスタマージャーニーマップの基本構造は、横軸と縦軸で構成されます。横軸には時間軸に沿った顧客の行動段階(認知→検討→購入→利用など)を配置し、縦軸には各段階での顧客の行動、感情、思考、タッチポイント、課題などの分析項目を設定します。
この表形式のレイアウトにより、顧客体験の全体像を一目で把握できます。また、色分けやアイコンを使って感情の起伏を表現したり、特に重要な施策ポイントを強調したりすることで、より実用的なマップになるでしょう。
カスタマージャーニーマップを作る5つの目的
カスタマージャーニーマップの定義や基本構造について触れましたが、そもそもこのフレームワークの目的・重要性を理解しなければ、活用できません。
- タッチポイントとユーザー行動の仮説を立てる
- 適切なコミュニケーション施策を立てる
- 施策の優先順位を定める
- チーム間で共通認識をもつ
- 顧客課題を発見し改善につなげる
それぞれ紹介します。
1. タッチポイントとユーザー行動の仮説を立てる
カスタマージャーニーマップを作成する第一の目的は、顧客が自社とどこで接点をもち、どのような行動を取るかの仮説を立てることです。
Web広告、SNS、オウンドメディア、展示会、営業活動など、複数のタッチポイントにおける顧客行動を可視化することで、効果的な接点設計が可能になります。
たとえば、BtoB商材では、担当者が情報収集する際にホワイトペーパーをダウンロードし、その後メールマガジンを経由してウェビナーに参加するといった行動パターンが想定できます。これらの仮説を立てることで、次の施策立案につながるでしょう。
2. 適切なコミュニケーション施策を立てる
各段階の顧客に対して、最適なタイミングで適切なメッセージを届けることが可能になります。
認知段階では課題解決型のノウハウコンテンツ、比較検討段階では具体的な導入事例や料金情報、購入後にはオンボーディング支援といった、段階に応じたコミュニケーション設計ができます。
顧客の心理状態や情報ニーズに合わせた施策を実施することで、コンバージョン率の向上や顧客満足度の改善が期待できます。闇雲に広告を打つのではなく、戦略的なコミュニケーション設計が実現するのです。
3. 施策の優先順位を定める
限られたリソースの中で最大の成果を出すには、施策の優先順位付けが重要です。カスタマージャーニーマップを使うことで、どの段階にボトルネックがあるか、どこに課題が集中しているかが明確になり、優先的に取り組むべき施策を判断できます。
たとえば、認知から興味への移行率は高いものの、比較検討から購入への転換率が低い場合、導入事例の充実やトライアル期間の設定など、検討段階の施策に注力すべきと判断できるでしょう。
4. チーム間で共通認識をもつ
マーケティング、営業、カスタマーサクセス、製品開発など、各部門が顧客との接点を持っていますが、部門ごとに顧客像が異なっていては一貫した体験を提供できません。
カスタマージャーニーマップは、組織全体で統一された顧客理解を共有するためのコミュニケーションツールとして機能します。
定期的にマップを見直すミーティングを設けることで、部門間の連携が強化され、顧客に対してシームレスな体験を提供できます。
また、新メンバーへのオンボーディングにも活用できるでしょう。
5. 顧客課題を発見し改善につなげる
顧客がジャーニーのどの段階で不満や不安を感じているか、どこで離脱しているかを可視化することで、改善すべきポイントが明確になります。
Webサイトの使いづらさ、情報不足、問い合わせ対応の遅さなど、具体的な課題を発見できます。
これらの課題を一つずつ解決していくことで、顧客体験全体の質が向上します。継続的な改善活動のベースとして、カスタマージャーニーマップを活用しましょう。
【7STEP】カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップを効果的に作成するには、体系的なプロセスに従うことが重要です。ここでは、初めてマップを作成する方でも実践できるように、7つのステップを解説します。
- 目的とゴールの設定
- ペルソナの設定
- 情報収集・リサーチの実施
- 横軸(ステージ)の設定
- 縦軸(項目)の設定
- 各要素の具体化
- KPIの設定と定期的な見直し
順に見ていきましょう。
STEP1:目的とゴールの設定
カスタマージャーニーマップ作成の第一歩は、なぜマップを作るのか、何を達成したいのかを明確にすることです。
「新規顧客獲得を増やしたい」「既存顧客のリピート率を上げたい」「顧客満足度を向上させたい」など、具体的な目的を設定します。
目的が曖昧なまま作成すると、分析する項目や深さが定まらず、実用性の低いマップになってしまいます。
また、KGI(最終目標指標)を数値で設定することで、マップの効果測定も可能になるでしょう。
STEP2:ペルソナの設定

次に、マップの主人公となるペルソナを設定します。ペルソナとは、自社の典型的な顧客像を具体的に描いた架空の人物です。
年齢、性別、職業、役職、課題、価値観、情報収集方法などを詳細に設定することで、リアルな顧客行動を想定できます。
既存顧客へのインタビューやアンケート、営業担当者からのヒアリングなど、実際のデータに基づいてペルソナを作成することが重要です。ただし、作り込みすぎて理想論に偏らないように注意してください。
STEP3:情報収集・リサーチの実施
ペルソナの行動を正確に把握するため、定性・定量の両面からリサーチを実施します。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析データ、CRMの顧客データ、営業日報、カスタマーサポートへの問い合わせ内容などを分析します。
また、既存顧客へのインタビューやアンケート調査を通じて、購買に至った経緯や意思決定の要因、感じた不安や疑問などを直接聞き取ることも効果的です。複数の情報源から多角的にデータを集めましょう。
以下の記事では、マーケティングリサーチの基本と具体的な手法を詳しく解説しています。12個の手法を詳細にまとめていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
STEP4:横軸(ステージ)の設定
顧客の行動段階を時系列で整理し、マップの横軸を設定します。
一般的には「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」「利用」「継続・推奨」といった段階に分けますが、自社のビジネスモデルに合わせてカスタマイズすることが重要です。
たとえば、BtoB企業では「情報収集」「社内共有」「稟議」「トライアル」「本格導入」「運用定着」など、より詳細な段階設定が必要になります。各段階の境界を明確にすることで、分析精度が高まるでしょう。
STEP5:縦軸(項目)の設定
各段階において分析する項目をマップの縦軸に設定します。基本的な項目には以下のようなものがあります。
- 顧客の行動:具体的に何をしているか
- 思考・心理:何を考えているか、どんな疑問を持っているか
- 感情:どう感じているか(ポジティブ/ネガティブ)
- タッチポイント:どのチャネルで自社と接点をもつか
- 課題・障壁:何に困っているか、購買を妨げる要因は何か
- 施策:企業側が提供すべき施策やコンテンツは何か
目的に応じて項目を追加・削除し、自社に最適な分析フレームを作りましょう。
STEP6:各要素の具体化
設定した縦軸と横軸の各マス目を、収集した情報とペルソナの視点に基づいて埋めていきます。
ワークショップ形式で、マーケティング、営業、カスタマーサポートなど複数部門のメンバーが集まって作業すると、多様な視点が反映された質の高いマップになります。
最初から完璧を目指さず、まずは仮説ベースで埋めていき、実際の顧客データや行動と照らし合わせながら修正していく姿勢が大切です。付箋を使ってアナログで作成すると、柔軟に修正できるでしょう。
STEP7:KPIの設定と定期的な見直し
完成したマップを実際のマーケティング施策に落とし込み、効果測定のためのKPI(重要業績評価指標)を設定します。
各段階での転換率、タッチポイントごとのエンゲージメント率、顧客満足度スコアなど、測定可能な指標を定めることが重要です。
また、顧客行動や市場環境は常に変化するため、四半期ごとや半年ごとなど、定期的にマップを見直す習慣をつけましょう。PDCAサイクルを回すことで、マップの精度と実用性が向上します。
カスタマージャーニーマップの活用方法
作成したカスタマージャーニーマップは、さまざまなマーケティング施策や営業活動に活用できます。ここでは、代表的な5つの活用シーンについて、具体的な実践方法を解説します。
- コンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
- メールマーケティング
- Webサイト・LP制作
- 営業活動
それぞれ紹介するので参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングへの活用
カスタマージャーニーマップを活用することで、各段階に最適なコンテンツを戦略的に制作できます。
認知段階では業界トレンドや課題提起の記事、検討段階では導入事例やホワイトペーパー、購入後には活用ガイドやウェビナーなど、段階に応じたコンテンツ設計が可能です。
コンテンツカレンダーとマップを連動させることで、どのステージの顧客をターゲットにしたコンテンツが不足しているかが一目で分かります。
バランスの取れたコンテンツポートフォリオを構築しましょう。
SNSマーケティングへの活用
SNSでの発信内容や広告配信の戦略立案にも、カスタマージャーニーマップは有効です。
認知段階の顧客には幅広いリーチを目指したSNS広告やタレントの起用(タレントマーケティング)、検討段階の顧客にはリターゲティング広告や詳細な製品情報の投稿を行うなど、段階別のアプローチが可能になります。
また、各SNSプラットフォームの特性(Instagramはビジュアルコンテンツ、X(旧Twitter)は情報拡散、LinkedInはBtoB向けなど)とジャーニーの段階を組み合わせることで、より効果的な運用が実現します。
幅広いリーチの手法としてSNS広告やタレントマーケティングについて知見を深めたい方はこれらの記事を確認してみてください。
メールマーケティングへの活用
メールマーケティングは、カスタマージャーニーの各段階に応じた自動配信シナリオを設計することで、効果を最大化できます。
資料ダウンロード後のフォローメール、カゴ落ちユーザーへのリマインド、購入後のオンボーディングメールなど、タイミングとコンテンツを最適化します。
マップ上で顧客の心理状態や疑問点を把握しておくことで、それに答えるメールコンテンツを作成できます。開封率やクリック率などのKPIをトラッキングし、継続的に改善を行いましょう。
Webサイト・LP制作への活用
カスタマージャーニーマップは、Webサイトの構造設計やランディングページ(LP)の制作にも活用できます。各ページがジャーニーのどの段階をサポートするか明確にし、適切な導線設計やCTA(行動喚起)の配置を行います。
たとえば、比較検討段階の顧客向けLPには料金表や詳細な機能比較表を掲載し、初めて訪問した認知段階の顧客向けには分かりやすいサービス概要と導入メリットを前面に出すといった使い分けができるでしょう。
営業活動への活用
BtoB企業の営業チームにカスタマージャーニーマップを共有することで、見込み客がジャーニーのどの段階にいるかを把握し、適切なタイミングで適切な提案ができます。
初回商談では課題ヒアリングと業界動向などの情報提供を中心に行い、検討段階では具体的な導入プランやROI試算を提示するなど、段階に応じた営業アプローチが可能です。
また、マーケティング部門が獲得したリードの質を営業が把握しやすくなり、部門間の連携も強化されます。リードナーチャリングの精度向上にもつながるでしょう。
カスタマージャーニーマップ作成時の注意点
カスタマージャーニーマップを作成する際には、いくつかの重要な注意点があります。
- 企業視点だけで作らない
- 作ることを目的にしない
- ペルソナを作り込みすぎない
- KPIを明確に設定する
- 定期的に見直しを行う
これらを意識することで、実用性の高いマップを作成し、効果的に活用できます。
企業視点だけで作らない
カスタマージャーニーマップ作成で最も陥りやすい失敗は、企業側の都合や思い込みだけで作成してしまうことです。
「こうあってほしい」という理想の顧客像ではなく、実際の顧客行動や心理に基づいて作成する必要があります。
顧客インタビューや行動データの分析を怠らず、常に顧客目線で考えることが重要です。社内の複数部門からメンバーを集めてワークショップを開催し、多様な視点を取り入れましょう。
作ることを目的にしない
カスタマージャーニーマップは作成すること自体が目的ではなく、実際のマーケティング施策や顧客体験改善に活かしてこそ価値があります。美しいマップを作っても、それが施策に反映されなければ意味がありません。
作成したマップから具体的なアクションプランを導き出し、実行に移す習慣をつけましょう。
ペルソナを作り込みすぎない
詳細なペルソナ設定は重要ですが、作り込みすぎると実在しない理想の顧客像になってしまうリスクがあります。
趣味や好きな食べ物など、マーケティング施策に関係ない詳細情報まで設定する必要はありません。
実際の顧客データに基づき、購買行動や意思決定に影響する要素に焦点を絞ってペルソナを設定しましょう。複数のペルソナが存在する場合は、優先順位をつけて段階的に対応することも検討してください。
KPIを明確に設定する
カスタマージャーニーマップの効果を測定するため、各段階に具体的なKPIを設定することが重要です。
認知段階ではWebサイト訪問数やSNSフォロワー数、検討段階では資料ダウンロード数や問い合わせ数、購入段階では成約率や平均単価など、測定可能な指標を定めます。
これらのKPIを定期的にモニタリングし、目標値との乖離があれば原因を分析して改善施策を実施します。データドリブンなマーケティング活動の基盤として、KPI設定を活用しましょう。
定期的に見直しを行う
市場環境や顧客行動は常に変化しています。一度作成したマップをそのまま使い続けるのではなく、四半期ごとや半年ごとに見直しを行いましょう。
新しいタッチポイントの出現(例:新しいSNSプラットフォーム)や顧客の情報収集方法の変化を反映させる必要があります。
実際の顧客データや施策の効果測定結果を基に、マップを更新し続けることで、常に実態に即した有効なツールとして機能します。
定期的な見直しミーティングをスケジュールに組み込むことをおすすめします。
カスタマージャーニーマップの失敗例と対策
カスタマージャーニーマップ作成では、多くの企業が同じような失敗を経験しています。ここでは、代表的な失敗パターンとその対策を紹介します。
- ターゲット設定が曖昧になっている
- 顧客理解が不足している
- 作成後に放置してしまう
- 関係者の巻き込みができていない
失敗例も押さえ自社で作成するマップの精度をあげましょう。
失敗例1:ターゲット設定が曖昧になっている
ペルソナを設定せずに「誰でも使える商品だから」と不特定多数をターゲットにしたり、「20代から50代の全ての人」のように範囲が広すぎたりするケースです。ペルソナが未設定かつターゲットが曖昧なままマップを作成しても、顧客の具体的な行動や心理を想定できず、実用的な施策につながりません。
対策として、まず明確なペルソナ設定から始めましょう。
実際の優良顧客データを分析し、年齢や性別だけでなく、職業、役職、抱えている課題、価値観、情報収集方法などを具体的に設定します。複数の顧客セグメントがある場合は、最も重要なセグメントに絞ってマップを作成することをおすすめします。
失敗例2:顧客理解が不足している
社内メンバーの想像だけでマップを作成し、実際の顧客行動とかけ離れた内容になってしまうケースがあります。
特に「こうあってほしい」という企業の願望が混入すると、マップの信頼性が損なわれます。対策として、必ず顧客インタビューやアンケート調査を実施し、実データに基づいてマップを作成しましょう。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析データ、営業担当者からのヒアリング、カスタマーサポートへの問い合わせ内容なども活用してください。
失敗例3:作成後に放置してしまう
マップを作成しただけで満足し、実際の施策に反映させなかったり、更新を怠ったりするケースです。作成時は盛り上がっても、その後活用されないまま忘れ去られてしまうことが多いです。
対策として、マップから導き出された具体的なアクションプランをリスト化し、担当者と期限を明確にして実行しましょう。
また、定期的な見直しをし、継続的に活用する体制を構築することが重要です。
失敗例4:関係者の巻き込みができていない
マーケティング部門だけでマップを作成し、営業やカスタマーサポートなど他部門に共有されないケースです。
組織全体で顧客理解を共有できなければ、一貫した顧客体験を提供できません。
対策として、マップ作成段階から複数部門のメンバーを巻き込み、ワークショップ形式で共同作成することが効果的です。
また、完成後も定期的に全社ミーティングで共有し、各部門の施策に反映させる仕組みを作りましょう。
カスタマージャーニーマップにおけるよくある質問(FAQ)

カスタマージャーニーマップについて、よくある質問とその回答をまとめました。
- カスタマージャーニーマップは古い手法では?
- 作成にどのくらい時間がかかる?
- 誰が作成すべき?
- どのくらいの頻度で更新すべき?
- 複数のペルソナがある場合は?
- AI時代におけるカスタマージャーニーマップの進化は?
同じような疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
Q1:カスタマージャーニーマップは古い手法では?
カスタマージャーニーマップは古くから存在する手法ですが、デジタル時代の現在でも十分に有効です。
むしろ、顧客のタッチポイントが増え、購買行動が複雑化している今だからこそ、全体像を可視化して理解する必要性が高まっています。
最新のデータ分析ツールやCRM、MAツールと組み合わせることで、より精度の高いマップ作成と効果測定が可能になっています。基本的なフレームワークとしての価値は変わりません。
Q2:作成にどのくらい時間がかかる?
初めてカスタマージャーニーマップを作成する場合、情報収集から完成まで2週間から1ヶ月程度かかるのが一般的です。
ただし、既に顧客データが整理されている場合や、シンプルなマップであれば1週間程度で作成できます。
重要なのは、最初から完璧を目指さず、まず簡易版を作成して実践で改善していくアプローチです。ワークショップを開催する場合は、半日から1日程度の時間を確保しましょう。
Q3:誰が作成すべき?
カスタマージャーニーマップは、マーケティング部門が主導することが多いですが、営業、カスタマーサポート、製品開発など複数部門のメンバーが参加することが理想的です。
各部門がもつ顧客との接点や知見を統合することで、より実態に即したマップになります。
小規模企業では経営者自身が中心となって作成することもあります。重要なのは、実際に顧客と接している現場の声を反映させることです。
Q4:どのくらいの頻度で更新すべき?
最低でも半年に1回、できれば四半期ごとに見直しを行うことをおすすめします。
ただし、大きな市場変化や新製品リリース、競合の動きなどがあった場合は、その都度更新が必要です。
定期的なレビューミーティングをスケジュールに組み込み、KPIの達成状況や顧客行動の変化を確認しながら、必要に応じてマップを修正しましょう。継続的な改善が重要です。
Q5:複数のペルソナがある場合は?
複数の顧客セグメントがある場合、それぞれにカスタマージャーニーマップを作成するのが理想です。
ただし、リソースが限られる場合は、まず最も重要な(売上貢献度が高い、成長が期待できるなど)ペルソナから着手しましょう。
1つのマップで複数のペルソナを扱おうとすると、内容が曖昧になり実用性が下がります。優先順位をつけて段階的に対応することをおすすめします。
Q6:AI時代におけるカスタマージャーニーマップの進化は?
AI技術の発展により、カスタマージャーニーマップはより動的でパーソナライズされたものへと進化しています。
機械学習を活用した顧客行動予測、リアルタイムデータに基づく自動更新、個々の顧客に最適化された施策提案などが可能になりつつあります。
また、生成AIを活用したコンテンツ制作により、各ステージに適したメッセージを効率的に作成できるようになっています。
ただし、基本となる顧客理解と戦略設計は人間が行う必要があり、AIはそれを支援するツールとして活用すべきでしょう。
まとめ
カスタマージャーニーマップは、顧客の購買プロセスを可視化し、各段階での行動や心理を理解するための強力なツールです。
適切に作成・活用することで、効果的なマーケティング施策の立案、部門間の連携強化、顧客体験の継続的な改善が可能になります。
重要なのは、作成すること自体を目的にせず、実際の顧客データに基づいて作り、具体的な施策に落とし込み、定期的に見直すことです。顧客の行動や市場環境は常に変化するため、マップも進化させ続ける必要があります。
まずは簡易版からでも構いません。この記事で紹介した7ステップを参考に、ビジネスに合ったカスタマージャーニーマップを作成してみてください。
顧客理解を深めることで、マーケティングの成果は必ず向上します。マーケティングの基礎についてはこちらの記事でも詳しく紹介しているので、成果を向上させるための前提知識としてぜひ参考にしてください。
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