ユーザーに商品購入や資料請求、会員登録などをしてもらうために、Web広告を出稿して集客を増やすことが大切です。
しかし、収益を最大化するためには、Webサイトを訪れたユーザーのアクション率を高める、つまりCVR (コンバージョン率) の向上が欠かせません。
本記事では、CVR改善の基本知識を押さえつつ、実践的な施策や成功事例、役立つツールまで紹介します。3ヶ月でCVRを劇的に改善した事例も交えながら解説していくので、ぜひ最後まで読んで、自社のCVR改善に役立ててください。
目次
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Webサイトを運営する上で、ユーザーにアクションを起こしてもらうことは最終目標の一つです。ここではまず、CVR改善の基本知識を説明します。
CVRとは、Conversion Rate(コンバージョン率)の略で、Webサイトを訪れたユーザーのうち、商品購入や資料請求、会員登録など、サイト運営者が設定した目標達成に至ったユーザーの割合を示す指標です。
たとえば、100人の訪問者に対して、5人が商品を購入した場合、CVRは5%となります。CVRは、Webサイトの成果を測るうえで非常に重要な指標であり、CVRを向上させることは、ビジネスの成長に直結するといえます。
CVRを改善するには、まずアクセス解析ツールなどを用いて現状のCVRやWebサイトの課題を分析するところから始めます。現状を把握した上で、CVR向上につながる具体的な施策を検討し、Webサイトに反映させましょう。
施策実施後は、その効果を検証し、結果に基づいてさらなる改善策を検討・実施することで、CVR向上を目指します。この一連の流れを繰り返すことが、効果的なCVR改善には欠かせません。
CVRが低い原因は多岐に渡りますが、多くの場合、Webサイトとターゲットユーザーとの間にミスマッチが生じていることに起因します。
たとえば、ユーザーが求める情報・コンテンツの不足や、サイトの構成が分かりづらく、ユーザーが必要な情報にスムーズにアクセスできないといったケースなどが挙げられます。
また、CTAが明確でない、信頼性に欠ける印象を与えてしまうデザイン構成なども、ユーザーの購買意欲を低下させる要因となります。
CVR改善は、あらゆるWebサイトにとって重要な課題です。ここでは、実際にCVRを向上させた企業の成功事例を10件紹介します。これらの事例から、具体的な施策と、その結果得られた成果を学び、自社のWebサイト改善のヒントを見つけましょう。
あるECサイトでは、会員登録を必須としていましたが、カート離脱率が高止まりしていました。そこで分析を経て、入力項目の多さがユーザーの負担となっていると仮定して、入力項目を必要最低限に絞り込み、入力フォームのデザインを見やすく改善。
その結果、会員登録の手間が軽減され、CVRが大きく向上しました。ユーザーからの「登録しやすくなった」という声も多数寄せられ、顧客満足度向上にもつながりました。
リスティング広告からの流入が多いBtoB企業のLPでは、情報過多でユーザーが求める情報に辿り着きにくい点が課題でした。課題を解決するために、ユーザーの検索意図を分析し、ページ構成を見直した結果、訴求軸を明確化することに。
ファーストビューでサービスのメリットを簡潔に伝え、その後、詳細情報や事例、顧客の声などを掲載する構成に変更しました。これらのページ構成の見直しにより、ユーザーが求める情報にアクセスしやすくなった結果、CVRが改善し、問い合わせ数が2倍に増加しています。
美容サプリメントを販売するD2C企業では、当初、幅広い年齢層の女性をターゲットとしていましたが、CVRが伸び悩んでいました。
そこで、顧客データ分析を行い、購買意欲の高いユーザー層を特定した結果、「30代後半の美意識の高い働く女性」にターゲットを絞り込むことにし、Webサイトのデザインや広告クリエイティブをターゲット層に合わせたものに変更しました。
ターゲットを明確化し、それに合わせたマーケティング活動を行った結果、CVRの改善と併せて顧客単価も向上し、収益拡大に大きく貢献しています。
士業向け顧客管理システムを提供している企業では、資料請求を促すCTAボタンの色や文言がありきたりなもので、クリック率が伸びずにいたため、ボタンの色や文言を複数パターン用意し、比較検証を開始。
当初は、緑色のボタンに「資料請求はこちら」という文言を使用していましたが、赤色のボタンに「無料で資料ダウンロード」という文言に変更したところ、クリック率が大幅に向上。CTAボタンを変更したことによりCVRが改善し、資料請求数が30%増加しました。
ボタンの色や文言を変えるだけで、ユーザーの行動を大きく変えられることが分かります。
コスメ通販サイトを運営する企業では、アクセス数は多かったものの、商品ページからの購入率が低く、CVR改善が課題となっていました。
そこで、購入を迷っているユーザーの行動分析を行い、商品ページの改善に着手。高画質の商品画像の追加、商品の使用感や効果を具体的に伝えるレビュー動画の掲載、送料無料や返品保証など、購入を後押しする情報を分かりやすく表示するなどを行いました。
その結果、商品ページの内容が充実したことで、ユーザーの購買意欲が高まり、CVRが15%向上しました。
インテリア雑貨を販売するECサイトでは、商品点数は多かったものの、各カテゴリーページからの商品ページへの遷移率が低く、売上が伸び悩んでいました。
これを改善するために、カテゴリーページのデザインと構成を見直し、人気商品やおすすめ商品をピックアップして表示したり、ライフスタイルに合わせた商品セレクションを特集ページとして設けたりすることで、ユーザーの回遊率向上と購買意欲の促進を図りました。
その結果、CVRは10%向上し、カテゴリーページからの回遊率も向上しています。
アパレルECサイトでは、カートに入れた商品を放置して離脱してしまうユーザーが多く、収益機会を損失していたため、カートに入れた商品を放置したユーザーに対して、リターゲティング広告を配信し、商品購入を促す施策を実施。
具体的には、カートに入れた商品を再度ユーザーに想起させるクリエイティブや、期間限定の割引クーポンなどを提示することで、購買意欲を再燃させました。
また、顧客が購入に至らなかった理由を分析し、適切なタイミングでアプローチすることで、購買意欲を回復させることができることを証明しました。Webサイト以外でCVRの改善を図った施策の好例といえます。
新規事業のWebサイトを立ち上げた企業では、当初、CVR目標を設定したものの、なかなか目標達成まで至らないのが課題でした。
そこで、Webサイトの改善点を迅速に発見し、改善策を素早く実行するために、アクセス解析ツールを導入し、データに基づいた意思決定を徹底。週次でWebサイトのアクセス状況やユーザー行動を分析し、CVR改善につながる仮説を立て、A/Bテストを実施するなど、高速PDCAサイクルを回すことで、継続的な改善を実現しました。
その結果、短期間でCVRが20%向上。高速PDCAサイクルを回すことで、市場の変化や顧客ニーズに迅速に対応できるようになり、競争優位性を築くことができました。
自社サービスの認知度向上を目指していたスタートアップ企業では、コーポレートサイトにアクセスしても、サービス内容を理解してもらえず、離脱してしまうユーザーが多くみられました。
それの打開策として、コーポレートサイトのファーストビューに、サービス内容を分かりやすく説明した動画を挿入。動画は、テキストと画像だけでは伝えきれない情報や魅力を効果的に伝えることができ、ユーザーのエンゲージメントを高める効果があります。
その結果、サイト滞在時間が延びたことにより、サービスへの理解が深まり、CVRが改善、問い合わせ数の増加につながりました。
金融商品比較サイトを運営する企業では、リスティング広告のCVRが伸び悩んでいたので、幅広い年齢層のユーザーに効果的にアプローチするための改善を図りました。
具体的には、年齢、性別、興味関心など、ユーザーの属性に合わせて、表示するランディングページの内容をパーソナライズ化。20代男性にはトレンドを取り入れたデザインのページを、40代女性には安心感を重視したデザインのページを表示するなど、ユーザーに最適な情報を届ける工夫をしました。
そのようなユーザーの属性に合わせた情報提供を行うことで、ニーズに合致した訴求が可能となり、CVRが15%向上しました。
その他、こちらの記事でもCVR改善の事例を紹介しているので、併せてお読みください。
CVRを改善するには、現状を分析し、適切な施策とツールを用いることが重要です。ここでは、CVR改善に役立つ代表的な施策とツールの活用法について解説します。
CVR改善の施策を選ぶ際には、闇雲に流行りのものを取り入れるのではなく、現状分析に基づいた戦略的なアプローチが重要です。まず、誰に何を届けたいのか?というターゲットユーザーとWebサイトの目的を明確化します。
そのうえで、現状のCVRが低い原因を分析し、改善すべきポイントを明確にする必要があります。たとえば、フォーム入力の離脱率が高いのであれば、入力項目の多さや入力の煩雑さが原因として考えられるため、フォームの最適化を優先的に検討します。
このように、現状を把握し、課題解決につながる施策を選択することが、効果的なCVR改善のカギとなります。
CVR改善には、さまざまなツールを効果的に活用することが重要です。たとえば、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを用いることで、Webサイトへのアクセス状況やユーザー行動を詳細に分析することができます。
サイト訪問者数、ページビュー数、直帰率、離脱率などのデータから、ユーザーの行動パターンやサイトの改善点を把握し、より効果的なWebサイト作りに活かすことができます。また、ヒートマップツールを用いれば、ユーザーのWebページ上でのマウスの動きやスクロールの深さを可視化し、どのコンテンツに関心が高く、どのコンテンツが見過ごされているのかを分析することができます。
さらに、A/Bテストツールを使用することで、複数のWebページを比較し、どちらがより効果的なのかを検証することができます。ボタンの色や文言、ページレイアウトなど、さまざまな要素をA/Bテストすることで、CVRを最大化するページを作成することができます。A/Bテストについてはこの後の項で詳しく説明します。
さまざまなツールを活用し、適切な現状分析を行い、CVR改善施策を行いましょう。
A/Bテストは、Webサイト改善において非常に重要な役割を担います。A/Bテストとは、Webサイトの2つ以上のパターンを作成し、どちらのパターンがより効果的なのかを検証する方法です。
ボタンの色を変えたり、文言を変えたり、ページレイアウトを変えたりと、さまざまな要素を検証することができます。A/Bテストを実施することで、ユーザーの反応をデータとして収集し、客観的な視点でWebサイトを改善していくことができます。
感覚的な判断ではなく、データに基づいた改善を行うことで、より確実なCVR向上を目指せる点が、A/Bテストの大きなメリットといえるでしょう。
CVR改善は、Webサイトの成果を最大化するためには欠かせない取り組みです。本記事で紹介した事例や施策を参考に、自社のWebサイトにも改善を加え、CVRの向上を目指しましょう。
また、CVRは商品やサービスの信頼度に比例して向上する傾向にあります。その信頼度向上の方法の一つとして、タレントの起用が有効です。
タレント起用は、高額な費用がかかり、予算の都合上難しいという企業も多いかもしれませんが、タレントサブスクは有名タレントを低コストで利用できるサービスのため、予算が限られた企業でもタレントの起用が可能です。
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